幸せ家族計画



「おいしかったね」

食事を終えて、店を出る。
食事中、何度もキズナが騒ぎ出すので大変だが、交互にあやしながら何とか食べ終わった。

休むために入ってる飲食店で何でこんなに疲れるのだろう。


「あと、どうしようか」

「もう帰ろ? 疲れてきちゃった」


結局そんな結論に2人とも至ったものの、俺は不意に閃いて言った。


「なぁ。ついでに墓参り行こうか」

「え?」

「盆だし」

「そっか、そうだね」


花と線香を買い、車に乗り込む。
走っている間にキズナは再び眠り込み、綾乃は助手席に移ってきてニコニコしている。


「私、お墓参りいくの久しぶりだ」

「俺も。一人の時は結構行ったんだけどな。今は思い出したようにしか行かないな」

「親不孝って思われてるかな」

「いや、現実が幸せなんだろって思ってくれるだろ」



それは、生きてる人間に都合のいい言い訳だが、納得したように綾乃は頷いた。
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