幸せ家族計画
「強くなるはずだったのになぁ」
「泣く人が弱いなんて誰が決めたの?」
「……さあ。そういえば知らないな」
綾乃から、こんな言葉を聞くとは思わなかった。
泣き虫だった綾乃。
いつの間にか、ちゃんと母親になってるんだな。
キズナを抱えたまま、綾乃の肩に顔を押し付ける。
「愛してる」
「外でそんなこと言わないで」
「だって本心だ」
胸が苦しくなるほど、綾乃を愛してる。
ずっと一緒に、ずっと傍にいて。
「でも、ちょうど良いかも。一軒家になれば2人が騒いだって大丈夫だろうし」
「え?」
「実はね、生理が遅れてるの。帰りに検査薬買って行こうよ」
「それって」
ちょっと待て。
まだキズナは一歳にもなってないんだぞ?
生理だって。
再開したばっかりだったじゃないか。
そんなすぐ妊娠したりするのか?