幸せ家族計画

 電気が消えて、ママは隣のお布団に入ってくる。

泣いたりしてないよね。

そう思って、隣のママが気になるけど、なんて言ったらいいか分からない。

そのうちに眠ってしまったらしく、
気が付いたら、いつもの声でママに起こされた。


「ほら、紗優、早く朝ご飯食べて」

「うーん」

「スカートのシミ、おちなかったよ。残念だけど諦めてね」

「はぁーい」


着替えをしながら、返事をする。

あーあ。
お気に入りだったのに、残念。


「ほら、遅刻しちゃうよ。急いでね!」


ママの声。

動いてる時に聞くと、気持ちが全然分かんない。

わたしがじっとしてる時なら、なんとなくわかるのに。

今日のママは元気なのかなぁ。

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