幸せ家族計画

そうか。
そんなに早いの。

学生服の英治くんなんて想像もつかないけど。
当たり前に学生時代があるんだよね。

同じ学校の制服を着て、学校で話したりできるんだ。
なんかいいなぁ。

でも、高校生ってどこでそんなことするの?

家とかって親いたりしないのかしら。

ああでも、英治くんの家はお父さんだけだから、夜になるまでは一人だったのか。


「で、紗彩は?」

「私は24……」


考え事をしていたからだろうか。
つられるようにあっさり答えてしまった。


「24?」

「あ、や、何でも無い。違うの、あのね」

「もしかして、……優さんが初めて?」

「や、その」


顔が赤くなってるのが分かる。
恥ずかしい、恥ずかしい。

だけど、本当の事は本当の事だ。
誤魔化したって仕方ない。

ようやくそんな風に思って、観念する。
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