幸せ家族計画
「お休み、紗優」
寝息に変わった紗優の額を撫でて、電気を消して部屋を出る。
戻りがてらバスルームを覗くと、もう明かりは消えていた。
英治くんはどこかしら。
ビールでも飲んでるのかな。
そう思ってキッチンを覗いても、いない。
そこからすぐ見えるリビングにもいない。
もう寝ちゃった?
そう思って、寝室のドアを開けた。
そこにもいない。
残る部屋はあと一つ。
4.5畳の小さな和室。
客用寝室として使っているそこは、彼は一人ではめったに入らない。
そこには、ユウの位牌が置いてあるからだ。