幸せ家族計画
そういえば、俺まだ会わせてもらってないな、達雄の妹に。
……いやもう今は奥さんか。
フリーの頃なんて、何度も会わせろって頼んだのに、お前は信用できないとか言って、ずっと拒否し続けていた。
そのくらい頑なに、達雄は彼女のことを大事にしてたんだよな。
俺が落ち着いた今なら、会わせてくれるんだろうか。
親友に奥さんを紹介してもらえないなんて、ちょっと情けないからな。
俺が回想している間に、達雄は両手を組んで苦悩のポーズをとる。
「ちょっと、綾乃とケンカしててさ」
「へぇ。珍しい。どうした?」
「それが」
情けない顔の達雄に、俺はノリノリで身を乗り出す。
すると、何故か同じように反対側から相川さんが近寄ってきた。
「……なんすか、相川さん」
嫌そうな顔の達雄。対して、なんて嬉しそうな相川さん。