幸せ家族計画


「いや、面白そうな話だなぁって思って」

「面白くないんです」

「綾乃って奥さん?」

「はあ。何だか妙に苛々してて。
やたら眠いとかいって、たまに俺の帰りを待たずに寝ちゃって」

「ふんふん」

「やっぱり10も歳の離れた俺なんて」

「俺も9歳離れてるよ。そしていつも怒られてる」

「……そうなんですか?」

「うん」


俺を呼びだした癖に、
俺を無視した状態で二人の会話が弾んでいく。


おいおい、もしかして俺は必要なかったんじゃないのか?


上の方から笑いを噛み殺したような声が聞こえて顔を上げると、オーナーが小さく肩を震わせている。

オーナーは相川さんの奥さんの事きっと知ってるんだな。

< 66 / 419 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop