幸せ家族計画
「いや、面白そうな話だなぁって思って」
「面白くないんです」
「綾乃って奥さん?」
「はあ。何だか妙に苛々してて。
やたら眠いとかいって、たまに俺の帰りを待たずに寝ちゃって」
「ふんふん」
「やっぱり10も歳の離れた俺なんて」
「俺も9歳離れてるよ。そしていつも怒られてる」
「……そうなんですか?」
「うん」
俺を呼びだした癖に、
俺を無視した状態で二人の会話が弾んでいく。
おいおい、もしかして俺は必要なかったんじゃないのか?
上の方から笑いを噛み殺したような声が聞こえて顔を上げると、オーナーが小さく肩を震わせている。
オーナーは相川さんの奥さんの事きっと知ってるんだな。