幸せ家族計画
「でも可愛いんだよね」
「そうなんです。可愛くて仕方ないんです!」
10近く年下の妻を持つ男たちは、意気投合。
俺も紗彩の事は愛しているが、可愛くて仕方がないかといわれるとちょっと違う気がする。
どちらかというと、そういう感情はサユに対して感じるかな。
「綾乃……。今頃寂しがってないかな」
「寂しがるくらいなら、どうぞごゆっくりなんて言わないんじゃないか?」
「だよなぁ」
俺の一言に、へこむ達雄。
ああもう、めんどくせー男だな。
「そんな事気にするくらいなら、さっさと帰って言えばいいじゃん。
俺の方が寂しくっておちおち飲んでも居られませんでしたって」
「お前、そんな事……」
「言えないからお前らは長い春だったんだろうが」
「言えるからお前らは早かったんだよな」
押し問答。
しかしこの場合に優位に立つのは常に俺。