幸せ家族計画

おじちゃんが、私の頭をなでて小さく笑う。

笑ってるはずなのに、なんだか寂しそう。
おじちゃんが時々する、こういう笑いもあんまり好きじゃない。

だって、胸がもやもやするんだもん。


「サユちゃんのパパに。ごめんねって」

「どうして?」

「パパのだいじなものを、皆もらっちゃうから。
だけど、サユちゃんもママも、パパの事忘れてないから。悪いのは、奪っていった俺だからって」

「……おじちゃんは悪くないよ?」

「はは。ありがとう」


おじちゃんは、またあの笑いをうかべた。

ママもおじちゃんも、どうしてパパにごめんねっていうのかな。

サユだったら嫌だなぁ。
笑っててくれた方が嬉しいのに。


「おじちゃん」

「ん?」

「サユねぇ。時々、宿題途中でイヤになっちゃうことがあるの」

「今みたいに?」

「うんそう。
それをね、この間ママに見られて、すっごく怒られたの。
いっぱい怒られると、サユも泣いちゃう。

そしたらママは、『ごめん、怒り過ぎた』って言って、今度は悲しそうになって。

あの時ねぇ、サユは自分のことイヤになったんだ」


「ふうん」


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