幸せ家族計画
紗彩さんが羨ましい。
彼に絶対的に信用されている彼女が。
『絶対に自分を好きにはならない』と
二人が恋人関係にあった時さえ信じられるほどなんだもの。
友人関係になった今もきっとその信頼度は変わってないだろう。
達雄は紗彩さんの前で、きっと安心しきった自分を見せれるんだ。
だけど私に対しては、違う。
大事にされてるけど、いつもどこか不安定で。
私はそれが、怖くて堪らない。
顔の両側に伸びている彼の腕を触ると、その上からキスをされた。
そのまま、頬に額にと落ちてくる唇は、私と目があったことで一瞬止まる。
「ごめんな。不安にさせて」
小さな呟きに、首を振る事で返事をする。
彼は少しだけ笑って、唇にキスをする。
それを受け止めながら、彼の首の後ろに手をまわして引き寄せる。
すると彼は一つ息を吐き出して、
ゆっくりと私の体中に唇を這わせ始める。