幸せ家族計画


私だけのものになって。


息が苦しくなるほどキスをして。

これ以上離れようがないくらい近くで肌を合わせて

呼吸する空気も

体の熱も

何もかも共有したい。


「あ……ん」

「アヤ」

「んんっ……はあっ」

「アヤ」


熱に浮かされてでもいるように、囁かれ続ける名前に、漏れる吐息で返事をする。


一緒に居るのは当たり前。

そうやって過ごしてきた私たちには、

ただ一緒に居るだけでは、足りなくて。

確かめ合うために貪り合う。


不安の解消方法が、

これしか分からない。


どうしたらいいの。

どうしたら私たちの間を安定させられる?

誰か教えて欲しい――……

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