幸せ家族計画
「……んん」
いつの間にか眠ってしまったのだろう。
窓の外はすっかり暗くなっていた。
まだベッドで眠る彼に布団をかぶせ、
自分は浴衣を一枚はおって窓際に寄る。
闇の中、少しうねる波が、夜の海を空恐ろしいものに見せる。
少し身ぶるいをして、浴室へ向かった。
窓を開ければ露天風呂にもなるようだったが、風が寒そうだったのでそのままにした。
温かい湯船につかり、彼につけられた胸元のあざをなぞりながら、
ぼんやりと思った。
「……避妊、しなかったな」
まあでも、そんな一度で上手く妊娠する訳もないだろう。
その前に解決しなきゃいけないことがある。