魔天戦史

｢こっちだよー!｣

弥佳はどんどん岩場を歩いて行く。勇翔達はその後を歩いていた。
｢あの娘、かなり身軽ですね…｣

勇翔は少し息が上がっている。

｢大丈夫か？宝珠まではあと少しだ。｣

｢はぁ…はい。｣

三人はまた歩き出した。すると弥佳が歩くのを止めた。

｢どうした、弥佳？｣

すると弥佳は少し先を指差した。

｢あれだよ。｣

弥佳が指差した先には祭壇の様なものがあり、その祭壇に丸い玉が置いてある。玉は紅い光を纏っている。

｢あれか…急ごう。｣

四人は祭壇に向かった。

｢これが、極焔の宝珠…｣

祭壇に付くとレオンが宝珠を手に取った。

｢ご苦労だったな。｣

そう声がした時、何かが上から降って来た。それは紅い鎧を纏った大柄な男だった。手には槍を持っている。

｢さぁ、それを渡して貰おうか。｣

男は槍をレオンに向けた。すると八洲が弥佳に何か呟いた。

｢弥佳…なぎ払え。｣

｢うんっ！｣

すると弥佳は一気に上に飛び上がった。

｢おいで!アルテミス!｣
弥佳が空中でそう言うと、弥佳の体が黄金の光に包まれた。

｢アルテミスだと…!？｣

男は少し後ろに下がった。弥佳を包んでいた光が晴れると、弥佳は髪と瞳が金色になり、右手には体よりも大きな弓を持っている。

｢たぁっ！｣

弥佳は空中で弓矢を放った。その弓矢は正確に男だけを狙って放たれている。

｢ちっ…!？｣

しかし男もかなりの速さで矢を避けている。
｢ん～…たぁっ！!｣

弥佳は力を溜めて矢を放った。今度は何本もの矢が一気に男に向けて放たれた。

｢く…ならば！!｣

男は避けるのを止めて弥佳を真正面に見た。
｢はぁっ…!｣

男は体に力を溜めている様だ。

｢はぁっ！!｣

男が気合いと共に霊力を開放した。すると何と男の腕が六本に増えたのだ！