魔天戦史
「…さて、では話すとするかのぉ。」
「勇翔は、まだ動けないはずでは無かったのですか?」
「まぁ、そのはずじゃったんじゃがのぉ…青龍に乗ることで無理矢理戦場に出て来てしまったんじゃ。」
「青龍…ですが、複数の聖霊と契約することなど、可能なのですか?」
「まぁ、確かに蓮君の言う通り、複数の聖霊と契約することは滅多に無い。じゃが、理論的には可能なんじゃよ。」
「理論的には…ですか?」
「あぁ。実際には、力を分割せねばならないから、総合的な能力が下がることが多いのじゃ。まぁ、勇翔君の場合は魔人化に伴い霊力の総量が飛躍的に増加しておるから、むしろ力が増しておるかも知れんがの。」
「…魔人化…体は、大丈夫なのか?」
「はい。まだ、体があまり動かないんですけど、大丈夫です。」
「…そうか…なら良いんだけどよ。」
「まぁ、何はともあれ勇翔君もこれで紫電と大海の二つの属性を操ることが可能になったのじゃから、属性の使い分け方を学ばねばのぉ。」
「はい。よろしくお願いします。」
「まぁ、今は体を休めなさい。おい!」
拾蔵は人を呼んだ。すぐに黒服の男がやって来た。
「ご用でしょうか。」
「勇翔君を部屋まで運んであげなさい。」
「かしこまりました。では、こちらへ。」
「あ、はい。ありがとうございます。」
勇翔は黒服の男の肩を借りて部屋まで戻って行った。
「蓮君も戻って良いぞ。」
「はい…京介さんは…」
「京介は話があるのでな。」
「…分かりました。」
蓮も部屋を出て行った。部屋には二人だけになった。
「…勇翔君には、常人では持ち得ない力が宿っておる。」
「!?」
「…どの道儂らでは彼には勝てぬよ…京介。お主もな。」
「…」
「…明日、儂の部屋に来なさい。少しだけ力の使い方を教えてやろう。」
拾蔵は部屋を出て行った。京介は一人残って自分の不甲斐ない姿に苛立っていた。
「勇翔は、まだ動けないはずでは無かったのですか?」
「まぁ、そのはずじゃったんじゃがのぉ…青龍に乗ることで無理矢理戦場に出て来てしまったんじゃ。」
「青龍…ですが、複数の聖霊と契約することなど、可能なのですか?」
「まぁ、確かに蓮君の言う通り、複数の聖霊と契約することは滅多に無い。じゃが、理論的には可能なんじゃよ。」
「理論的には…ですか?」
「あぁ。実際には、力を分割せねばならないから、総合的な能力が下がることが多いのじゃ。まぁ、勇翔君の場合は魔人化に伴い霊力の総量が飛躍的に増加しておるから、むしろ力が増しておるかも知れんがの。」
「…魔人化…体は、大丈夫なのか?」
「はい。まだ、体があまり動かないんですけど、大丈夫です。」
「…そうか…なら良いんだけどよ。」
「まぁ、何はともあれ勇翔君もこれで紫電と大海の二つの属性を操ることが可能になったのじゃから、属性の使い分け方を学ばねばのぉ。」
「はい。よろしくお願いします。」
「まぁ、今は体を休めなさい。おい!」
拾蔵は人を呼んだ。すぐに黒服の男がやって来た。
「ご用でしょうか。」
「勇翔君を部屋まで運んであげなさい。」
「かしこまりました。では、こちらへ。」
「あ、はい。ありがとうございます。」
勇翔は黒服の男の肩を借りて部屋まで戻って行った。
「蓮君も戻って良いぞ。」
「はい…京介さんは…」
「京介は話があるのでな。」
「…分かりました。」
蓮も部屋を出て行った。部屋には二人だけになった。
「…勇翔君には、常人では持ち得ない力が宿っておる。」
「!?」
「…どの道儂らでは彼には勝てぬよ…京介。お主もな。」
「…」
「…明日、儂の部屋に来なさい。少しだけ力の使い方を教えてやろう。」
拾蔵は部屋を出て行った。京介は一人残って自分の不甲斐ない姿に苛立っていた。