魔天戦史

｢…どうやら、まだ扱うには不馴れな様だな。｣

｢…すいません…｣

｢まぁ、それも真打を習得するまでだ。真打さえ習得出来れば霊力の総量も体力も飛躍的に増加する。｣

｢…そうですか…｣

どうやらまだ蓮は体力が戻らない様だ。

｢…しかし、今のままでは望みは薄いな…仕方ない。｣

弦慈郎は方天画戟の穂先を蓮に向けた。

｢…？何を…｣

するとその穂先に光が収束していく。

｢お前を直接アマテラスの領域に叩き落とす。そこでアマテラスを下せ。それが最も確実だ。｣

弦慈郎はそう言って光を放った。光は細いレーザーの様に伸びて蓮に直撃した。レーザー直撃を受けた蓮は体から力が抜けて倒れた。その倒れた蓮を弦慈郎が受け止めた。弦慈郎は蓮を横に寝かせた。
｢…お前なら大丈夫だ。アマテラスとの適合値は、お前が歴代で最も高かったんだからな。｣







蓮は目を覚ました。そこは花が咲き乱れるのどかな場所だった。そこは不思議な安息感があった。視界を巡らせるとすぐ近くに女性が立っていた。服装は白を基調とした和風のドレスの様なものを着ている。髪は金髪で腰まで伸びている。振り返ったその顔は、正に女神といった感じの顔立ちだ。蓮にはそれが誰だかすぐに分かった。
｢…アマテラス…ですね…？｣

｢…えぇ…｣

蓮は倒れていた体を起こした。その時初めて自分の体力が戻っているのに気が付いた。

｢…ここは…｣

｢ここは、高天原です。｣

｢ここが…高天原…｣

言われれば確かにそんな感じがした。その時アマテラスが天叢雲剣を抜いた。その風で回りの花が散って風に舞った。

｢…やはり、そういうことなんですか…｣

｢貴女のあちらでのやり取りは中から聞いていました。真打を習得なさりたいのでしょう…ならば、純粋に剣技だけで私を打ち倒して下さい。｣