魔天戦史
「……貴様、何を……ッ!?」
「どうせ貴様達は、若い者には何も話していないのだろう?」
堂絃に掴み掛かろうとグレンが身構えたが、その前に堂絃が話を続けた。
「………同じだ…あの時と…重要なことは何一つ語らず、ただ自分達の都合の良い様に情報を隠蔽し、捏造する……!!自分達が、何に仕えているのかも知らずに……愚かなことだ……」
それから、緋凰達が何度も問い詰めても、堂絃は一切口を開かなかった。
元帥達は部屋から出た。
外ではレオンが待機していた
「………緋凰様……異界からの侵略者とは、一体……」
「………場所を移そう。皆は持ち場に戻ってくれ。アルバーヌは、勇翔君のところに行ってくれ。トレーニングルームにいるはずだ」
「…分かりました」
アルバーヌはトレーニングルームに、憲蔵は京介を残して来た地下闘技場に戻り、他の元帥は担当のところへ戻って行った。
「……付いて来い…」
緋凰はゆっくりとどこかへ歩き出した。
「……緋凰様…?」
「……話を聞かせてやる……異界からの侵略者について、な…」
「は、はい……!」
二人は並んで、廊下を歩き出した。
「………28年前…私は、当時の大元帥直轄の第零師団に所属していた……」
「第零師団……?」
緋凰とレオンは、屋上に出ていた。
「第零師団の主な任務は、ロストアーク……神代の遺失物の捜索と、『門』の管理だった。そして、あの時……事件は起こった……」
緋凰はゆっくりと、過去の惨劇を語り始めた。