魔天戦史
「……取り敢えず、ビルに戻ろうか。パラケルススも共に行こう。師紀元帥は、彼を医務室に運んでくれるか?」
「分かりました。その後はどういたしますか?」
「……そうだな……大元帥に、彼の事を少し聞かせて貰おうか。全員が、会議室に集まったら話を聞こう」
「分かりました」
憲蔵達は悪魔の殲滅をしていた兵士達を召集し、全員を地上に帰した後で、揃ってビルに戻った。憲蔵だけは、勇翔を医務室に運んで行った。他の五人は、会議室に向かった。
途中で話を聞き付けたガリスとグレンも合流して、全員が揃って会議室に入ると、中にはもう大元帥が待っていた。
「……来たね。パラケルススも、来てくれてありがとう。さぁ、皆席に付いてくれ。話があるから来たんだろう?」
皆は席に座った。先に口を開いたのは、大元帥からだった。
「………さて、何を聞きたいのかな?」
大元帥の問いにはユリスが答えた。
「……勇翔の中にいた、ランダについてですが……」
「……あぁ、あれか…」
「……お話し、して戴けますよね大元帥様?」
全員の目が大元帥へと向いていた。そんな時、大元帥がゆっくりと喋り始めた。
「……全ては、あの時始まった……」
「……これでは、修復に暫くかかりそうだな」
憲蔵は勇翔を医務室に預けた後、焼け焦げた監獄室の辺りに来ていた。
「……これ程の力を持っているのか、ランダというのは…」
憲蔵は暫く物思いにふけった後、会議室へと向かった。憲蔵が去った後には、焼け焦げた跡を修復しようと、兵士や科学者達がかけずりまわっていた。