魔天戦史
「…あれだ!」

京介達は前方の海の上に巨大な物体を中心に魔物の群を見つけた。
「各員、先制攻撃を仕掛ける。遠距離魔法、スタンバイ!」

学園長の一言で全員一斉に霊力を溜め始めた。

「…発射!」

全員が魔法を放った。魔法はまっすぐな軌道を描いて群に命中した。

「敵撃破率47%。敵部隊の半数を撃破しました。学園長、ご指示を。」

「真藤は何人かと一緒に左舷を。蓮君と京介君は右舷の敵を殲滅してくれ。他は各自の判断で敵を殲滅してくれ。私はあれをやる。各員、散開!」

すると全員学園長の指示通りに動いた。学園長は一人巨大な物体に向かった。

「…まさか、これ程の質量とは…骨が折れそうだ。」

学園長は杖を振るった。すると様々な属性の魔法が巨大な物体を襲った。物体はその丸い形を徐々に変えて行く。

「く…やはり一人では…神器の発動許可を取っておくべきだったかな…」

その間に球体は光りを溜め始めた。

「!まさか…各員、球体の周囲から退け!」

その声を聞いて全員、一旦上空に退避した。すると次の瞬間、球体は強烈な光線が放射状に放たれた。全員何とかかわしていたが悪魔達は次々と光に射ぬかれていった。攻撃が止むと悪魔の群は残り僅かとなっていた。

「…チャンスだ。全員、球体に攻撃しろ!」

学園長の号令で全員が球体に攻撃した。しかし表面は削れるが致命傷は与えられない。

「く…これではこちらが消耗するだけだ…どうする…」

しかしその時学園長達の後方から何かが駆け抜けた。それは球体を切り付けて上空に飛び上がった。その背中には二枚の翼が生えている。右手には黄金に輝く剣が輝いていた。

「貴方は…!?」

「お久し振りですね。崇史元帥。」

「クローム・アルバーヌ卿!?」

男は黄金の剣を構えて球体に切り掛かった。男は球体の攻撃を掻い潜り、球体を真っ二つに切り裂いた。球体はそのまま海に沈んで爆発した。

「…さぁ、崇史元帥の学園に行きましょう。話はそれからです。」

学園長達は静かに学園に戻った。
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