魔天戦史
「……調査って…」
「……それについては、いずれ話す…悠里は、その調査のことを知っていたし、隊に加わる気でいたらしいが、結局は思い止どまった………お前がいたからな、勇翔……」
「……僕の、為に…?」
「…あぁ……悠里のところにも迎えをやってる。じきに着くだろう」
「!母さんが、来るの……?」
「あぁ……それまでに、話しておかなくてはな……」
「………」
「大元帥の目的については、悠里や他の幹部を集めて話すが、お前にはまず、新たな天盤を会得して貰う」
「新たな…天盤……?」
「そもそも天盤とは、魔法を作る魔法だ」
「魔法を、作る……?」
「天盤は歴代のプレイヤーが作り上げて来た。新たな天盤は新たな魔法として記憶され、次代へと継承されていく……初代は、東郷流開祖の東郷貴一郎、二代目が、初代大元帥、三代目が、俺だ…そして勇翔、お前が四代目だ」
「…父さんが、三代目なんだ……じゃあ、父さんが新しい天盤を教えてくれるの……?」
「あぁ……他にも、教えることがあるからな…だが、まずは天盤が最優先だ」
そう言って斗耶はエクスカリバーを再び腰に差して立ち上がった。
「どこかに行くの?」
「……お前は俺の部屋を壊す気か?」
「え、あ……ごめん……」
勇翔も慌てて光翔剣を取って腰に差して立ち上がった。勇翔は歩いて行く斗耶の後ろを追った。
暫く歩くと、広大なドームの様な場所に出た。その天井の高さに惚けている勇翔を置いて、斗耶は反対側に歩いて行った。
「……ここは、クロウリーの魔術で作られた仮想空間だ。ここでなら、時間も場所も気にせずできる……」