魔天戦史

｢これは…！？｣

｢京介さん!蓮さん!｣

｢勇翔!？｣

雷を放ったのは勇翔だった。

｢大丈夫ですか！？｣

｢勇翔…お前、どうしてここに…｣

｢敵が来たと思ったので…大丈夫でしたか？｣

｢あ、あぁ…｣

｢勇翔さん、さっきのは…｣

｢憲蔵さんから、魔法の使い方を習ったんです。｣

｢父上から…？｣

｢はい。｣

｢…そうか…まぁ何はともあれ助かった。ありがとよ。｣

｢はい。｣

三人は互いに背中合わせになって敵を警戒した。しかし敵は一向に攻めてこない。

｢…？何だ…様子が…｣
その時敵の囲いの奥から声が鳴り響いた。

｢…いやはや、よもや三人でこれだけの敵を退けるとは…やはり侮れませんねぇ…｣

すると敵が割れてそこから一人の男が現われた。

｢…神崎迅…っ、貴様が指揮していたか…ッ！！｣

京介は握っていた槍を更に握り締めた。

｢おやおや…やはり覚えておいででしたか…懐かしい御顔だと思いましたが…『炎皇』の血を引くお方でしたか…しかし貴方達の様な方がいては実に邪魔ですねぇ…残念ですが、今この場で始末して差し上げましょう…｣

神崎と京介が呼んだ男は手にしていた鉄扇を振り上げた。それに呼応して敵が一斉に飛び掛かった。

｢この数では…ッ！？｣
｢ここまでだなんて…｣
｢魔法は…間に合わない…ッ｣

それでも敵は攻めて来る。その時、空から声が鳴り響いた。

｢伏せなさい！三人とも！！｣

三人はとっさに地面に伏せた。すると空から光の雨が降り注いだ。それはギリギリの距離で三人を避けて敵だけを打ち抜いていく。

｢これは…！？｣

｢なんだ…これ…｣

しばらくして光の雨は止んだ。