魔天戦史
「…こればかりはのぉ…人任せという訳にもいくまい。」

「…そうですね。」

「あら、お祖父さま。良かった、京介の友達を連れて来てくれたんですか?」

「おぉ、彰奈さん。彼は儂の部屋におったんじゃよ。」

「そうですか。それじゃぁ、御飯にしましょうか。」

「そうじゃな。勇翔君は京介の隣りに座るといいじゃろう。」

「はい。」

拾蔵と勇翔は席に着いた。

「それじゃぁ、いただきます。」

「いただきます。」

皆一斉に箸を握って好きなものを食べ始めた。

「京介さん。」

「ん?」

勇翔が小さな声で京介に話し掛けた。

「あの人、ひょっとして京介さんのお母さんですか?」

「あぁ。母様は普通の人だ。プレイヤーじゃない。」

「そうなんですか?」

「そうなのよ。少し残念ね。」

そう言ったのは彰奈だった。どうやらさっきの会話は聞こえていたようだ。

「皆も、プレイヤーなのよね?」

「あ、私は違います。」
そう言ったのは晶だ。
「ふぅん…やっぱり最近プレイヤーが増えてきてるわね…どうしてかしら。」

「それが、世界の流れということなんじゃろう。変えることは誰にも出来ぬ。」

「…何だか嫌な感じねぇ…君達みたいな子供まで戦わされるだなんて…」

「仕方ありませんよ、母様。力があるなら、力が無いものを守らなければならないでしょう。」

「うむ。それが力ある者の務めじゃ。原初の精霊の残した言葉じゃが、それこそが世界の本質じゃ。力ある者が戦わなければ、その周りに被害が及ぶ。」

「それだけは、避けなければならない…それも力ある者の務めですから…」

「…アマテラスのプレイヤーは、良く理解しておる…じゃが、それだけではまだ足りぬな…」
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