【BL】一晩のxx【短編】
これから俺はずっとこんな気持ちを抱えて過ごすのかと思うと、たまらなく胸が苦しくなった。
こんな感情は初めてだった。
分かってる。相手が男なのに、こんな気持ちになるなんてどうかしてるって。
「うわっ!やっべ、もうこんな時間!」
時計を見て、急いで支度をした。
失敗が続いているのに、遅刻なんてもっと怒られるに決まってる。
何故遅刻したのか?
と、問われても答えられない。
髪の毛をササッと手で整えて勢いよく外に出た。
「うわっ、雨かよ…」
タイミングを見計らったかのように、家を出た瞬間に降り出した雨。
ただでさえ時間がかかるのに、雨など降って欲しくなかった。
「良いやもう、傘無しで…」
「──2つ、ある」
…え?