【BL】一晩のxx【短編】
それ以降の記憶が全くない。
頭をフル回転させても、思い出せない。
でも……男二人が裸で一つのベッドの上で寝ている。
この状況、明らかにおかしい。
けど、俺は至って冷静なことに自分でも驚く。
とりあえず、床に脱ぎ捨てられた服を着ようとした時、
「起きたのか」
後ろから低い声が俺の背中に向けられる。
相手が寝ている間にさっさと退出したら良かった、そう心の中で後悔した。
「あの…俺、昨日のこと全然覚えてないんで…これはナシってことで」
そう言うと、ふっと不敵な笑みを浮かべ、
「昨日、あんなに気持ちよさそうにしてたのに」
「なっ…!絶対そんなはずないです!お、俺そういう趣味全くない──わっ」
腕を引っ張られ、またベッドの上に連れ戻された。
「何するんですか!」
俺は必死で睨み、離してくださいと冷たく言い放つと、
「体は嘘つかねぇよ?」
と言って、さっきの笑みを見せると俺の首筋を舐めた。
「─っ」
不覚にもビクッと反応してしまった俺を見てクスクス笑った。