【BL】一晩のxx【短編】

「ほら、だから言っただろ」

「こっ、これは!首が弱点だからです!!」

挙動不審になって自分でも何を言ってるか分からないし、少しだけでもドキッとした自分に吐き気がした。


違う違う違う。俺はそっち側の人間じゃない。違う違う違う…


そう自分に言い聞かし、落ち着かせた。


「ふっ…良いこと聞いた」

そう言ってまるで、小さい子供を見つめているかのような目で俺を優しく撫でた。

「やめて下さい」

俺はその手を払いのけ、ベッドから再び降りて服を着た。


「名前…」

「ん?」

「名前、聞いてない気がする」


俺は背を向けながらシャツのボタンを止め、そう呟いた。


「ははっひどいな。最中、昨日俺の名前ずっと呼んでたのに」

「っ!!」

「相田渉(あいだわたる)」



嗚呼、昨日の記憶が少しずつ蘇ってきた。

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