【BL】一晩のxx【短編】

***


今に至る。


何やってんだ俺。
男だぞ?相手は男だぞ?


なに酔いに任せて一晩過ごしちゃってんだよ…馬鹿か俺。


「すみません、俺帰ります。無かったことにして下さい」

完全に着替え終わった俺は、相田さんの方を振り向きそう言った。

本当に、無かったことにして欲しい。
あの時は、ただ酔っていただけだ。


「でも、話聞いてくれてありがとうございました。おかげでスッキリしました。それじゃ、さようなら」

少し頭を下げて、相田さんの目を見ずに部屋を出ようとしたその時、





「──っ」



唇に柔らかくて、温かい感触が伝わった。



驚いて声が出ない俺を見て、あの得意の笑みを浮かべ、

「じゃあな」

そう言って、俺の頭に手を乗せた。
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