【完】俺だけを愛して溺れろ。
『付き合ってもいいけど、明日映画がみたいなぁ』
「……どんな映画が見たい?」
『そうねぇ……。洋画がいいわね。そう、アクション系の迫力あるやつ』
「って、言うと思った」
お互い顔を見合わせ、同時に弾けたように笑った。
中島は、あたしが本当に助けを求めている時にしか、そのことについて深くは聞かない。
“今すぐ凜を助けてあげるよ?”
他人の気持ちを察することが得意で、行動や言動を選んで返す。
ある人は優しさからくる行為だと言うが、全てにおいてそうとは限らない――。