【完】俺だけを愛して溺れろ。
そういう素振り、全く見えなかったのになぁー。
あたしは何となく自分の耳朶に触れる。
プレゼントかぁー。
新しいピアスが欲しいな……ん?
ふと、あたしはあることを思い出す。
『あ、凪。ピアスは?』
「ピアス?」
凪は少し首を傾げる。
『将生さん、左耳に一個ピアス付けてる。しかも、毎日同じピアス』
「んじゃ、それしか持っていないってこと?」
『違う。あのピアス、ブランドだから気に入っているんだと思う』