【完】俺だけを愛して溺れろ。
「何で、ブランドだって分かるのさ」
『ウルフをデザインしたスタッドタイプピアス。細部まで行き届いたデザインのクオリティーの高さ。あれは、あたしの大好きな“WOLFMAN B.R.S”だね』
「……雑誌よりも凜に聞いた方が良さそうだ」
凪はそう言って雑誌を閉じ、自分の鞄の中にしまう。
「凜って、ピアスに詳しいんだね。初めて知った」
『ほら、あたしも穴空けちゃってるからさ』
「え?」
あたしの発言に、目をぱちくりさせる凪。
「それ、初めて知ったんだけど」
『あー、普段髪で隠しているからね。ちなみに、左三個、右一個だよ。ほら』