【完】俺だけを愛して溺れろ。
廉と腕を組みながら廊下を歩くなんて、冗談じゃない。
あたしにより密着しようとしている廉を渾身の力で剥がし、すぐさま距離を置く。
ちょっ、今絶対兄妹だって知らなかった人、同じこと思ってるでしょ!
断じて、先生と生徒の禁断な恋じゃない。
って、兄妹だと知っている人にも、禁断な恋だと勘違いされた!?
うわー、軽蔑の眼差しが……。
あたし、そんな綱渡りするタイプじゃないし、しようとも思わない。
もう、いい加減にしてよ。
あたしは額に手を当て、盛大なため息を吐き出す。
そんなあたしを見て、愉快げにクスクスと笑う廉。