【完】俺だけを愛して溺れろ。



『(もう少し……いや、かなり頼りがいのある真面目な兄ちゃんが欲しかった)』



「それで、どうなった」



『……何がよ』



力ない瞳を廉に向ければ、廉はニヤニヤと気味悪い笑みを浮かべていた。



「昨日だよ、昨日」



『っ、』



忘れろ。



「……凜?」



忘れろっ!



「蒼空、お前今日様子がおかしいぞ?」



ピタリと歩みが止まる。


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