【完】俺だけを愛して溺れろ。
あー、嘘でしょ?
「え?いつも通りでしょ」
聞き慣れた声。
この声の主を間違えるわけがない。
あたしは声のする方へ視線を向ける、と。
蒼空がこちらを凝視していて、あたしと目が合う。
『(タイミング、悪っ!)』
そして、将生さんもあたしに気付いたらしく、「凜だ!」と嬉しそうに手を振ってくれた。
『(……まだ何も知らないのか)』
「凜、これから購買部に行くのか?」
『はい』