【完】俺だけを愛して溺れろ。
「んじゃ、凜。俺たち教室に戻るね?また後で」
あたしの頭を優しく撫でた後、その横を通り過ぎる将生さんたち。
『(また後ではない)』
あたしは振り返らずに無言のまま歩き出した。
廉も慌ててあたしの横に並ぶ。
きっと廉のことだから、罪悪感でも抱いているのかな?
『別に、廉の所為じゃない』
「凜……?」
『全部、あたしが望んでやったこと。だから、昨日のことは気にしないで』
「……」
あたしは廉の方に顔を向けず、ただ真っ直ぐ前を見る。