【完】俺だけを愛して溺れろ。
「将生と二人だけの秘密だから教えなーい」
凪は愉快そうに笑った。
「んじゃ、行くね。凜、メリークリスマス!」
『うん。メリークリスマス!』
あたしは目を細めて、凪の後ろ姿を見送る。
あの二人、ほんとお似合いカップルだなぁ。
そんな二人の姿が教室から見えなくなった途端、悲愴な気持ちが込み上げてきた。
『(クリスマス、今年も一人か)』
思わず、自嘲的な笑みを溢す、と。
「なぁ、凜。今夜、どうせ暇だろ?」
開口一番、隣の席から失礼極まりないことを聞いてくる洸太。