【完】俺だけを愛して溺れろ。



『(……早くしないと、待ち合わせ時間に遅れる)』



あたしは意を決してチャイムを鳴らした。



ドキリ、ドキリと動悸が速まる。



そして、



ガチャリ――。



目の前のドアがゆっくりと開かれる。



そのドアの隙間を直視していると、中から出てきた蒼空と視線が合った。



「……凜?」



瞬きもせず、ただただ目を見張る蒼空。


< 268 / 357 >

この作品をシェア

pagetop