【完】俺だけを愛して溺れろ。
「あーあ。何でだろうな」
『……』
「俺が先に凜のことを好きになったのに、気付けば凜は俺ではなく中島さんしか見ていない」
『……、』
「なぁ、俺を慰めろよ」
『っ、』
「慰めてくれよ」
洸太が顔を歪ませ懇願するものだから。
その言葉に隠されてる本当の意味を理解してから、言葉に詰まる。
“偽りでも良いから付き合ってくれよ”
あたしはゆっくりと瞳を閉じ、一旦自分の気持ちを整理する。