【完】俺だけを愛して溺れろ。
「あの手紙の内容、もう一度凜の口から聞きたい」
『……え?』
「頼むから、俺以外の男とデートするなよ」
『……蒼空、…?』
いつものトーンよりも随分低く小さな声。
胸が締め付けられるみたいな苦しさに、蒼空のコートを掴む力も強まる。
そして、
「俺も好き。誰よりも愛してる」
全く期待していなかった言葉に、弾かれたように顔を上げた。
驚愕のあまり見張った目から、ぽろぽろと涙が零れる。
そんなあたしに、蒼空は困ったように微笑んだ。