【完】俺だけを愛して溺れろ。



凄艶な笑みを見せる蒼空。



もちろん、答えは“YES”だ。



蒼空の瞳をまっすぐと見つめたまま頷くと、蒼空はあたしの耳に飾られたすずらんに指を伸ばし、そっと揺らして言った。



「純愛と幸福」



『……え?』



「凜に幸福が訪れるように、一身を犠牲にしてでもひたむきな愛情を注ぐ。そういう思いをこのピアスにこめてる」



この言葉に胸の奥の深いところがきゅうっと締め付けられた。



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