【完】俺だけを愛して溺れろ。



「だからさ、」



ぐっと腕を引き、あたしを狂おしいくらいに抱き締める蒼空。



蒼空のこの香りも、優しい温もりも全部好き。



あたしはそれを確かめるように、自分の頬を蒼空の胸元に押し付ける。



「頼むから、」



『うん』



「別れて?」



『……何だって?』



険しい顔つきで見上げるあたし。



さっきまでのムードはどこへ消えた?



この言葉の所為で、何もかもぶち壊しよ。


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