【完】俺だけを愛して溺れろ。



『……オイ。ふざけるなよ?』


「凜は俺の好意を無にするのか?」


『何が好意だ!この悪趣味変態サド野郎が!!』


「もう照れちゃってー。素直に喜べば良いと思うよ?」


『無理、無理、無理、無理、無理っ!』



呪文を唱えるように拒絶する言葉を連呼するあたしに、静かに目を細める中島。



思わず、あたしはゾクッと体を震わせた。



『(……これは、マズい)』



ゆっくりとあたしに歩み寄る中島に対して警戒心を剥き出しにし、一歩二歩と後退する。



「なぁ、今日の昼も言っただろ?」



逃げ場がなくなると思った時には、あたしは背中に壁の気配を感じていて。



何を考えているのか計りかねる曖昧な笑顔を浮かべている中島が、トンッとあたしの顔の横に手をついた。



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