【完】俺だけを愛して溺れろ。
「俺から逃げれると思うなよ?」
さりげなくあたしの脚の間に、憎たらしい中島ご自慢のスラリとした長い脚を入れて、あたしの顔を覗き込むように見てくる中島。
近すぎる距離に堪えられず、顔を横に向ける。
『は、なれて』
「頬赤く染めて、何可愛い顔してんの」
『っ、』
あたしはあまりの恥ずかしさに、手の甲を当て口元を隠す。
「ほら、こっち見て」
『無理……』
「そんなことされると、逆に欲情――…」
『するな、キモい』
意外にも冷たい声が出た。