【完】俺だけを愛して溺れろ。
――『(げっ!雨降ってるし)』
学校の玄関先から憂鬱そうな顔をして、鉛色の空を仰ぐ人達の中にあたしもいた。
あー、今日の天気予報は珍しく当たった。
朝から太陽が燦々と輝いていたから、今日も天気予報が外れたと思っていたのに。
不思議なことに、午後から曇り始めた。
まぁ、雨が降ろうが降らまいが、折畳み傘を鞄の中に常備しているあたしには関係ない。
ただ、萎える。
帰宅するのも億劫になる。
あー、もう最悪。
あたしはこの集団から抜け、玄関を出ると同時に傘を広げて歩き出す。