【完】俺だけを愛して溺れろ。
『(あっ、そういえば、高校生活始まってからの初めての雨じゃん)』
まっ、どうでも良いけど――…
「ちょっ、傘貸して」
『…――は?』
一瞬の出来事だった。
あたしの傘の中に無理矢理入り込み、あたしの手から傘を奪い取る一人の長身男。
オイ、あたしの身体半分が雨に当たってるんだけど。
容姿端麗だから全て許されると思ったら大間違いよ。
『あの、』
「ねぇ、お姉さん」
誰が、お姉さんだ。