【完】俺だけを愛して溺れろ。



「ほら、素直に喜べ。てか、感謝するところだろ」


『はぁぁあぁん!?』



…――どうやら、“哀”よりも“怒”の方が勝(まさ)っていたらしい。



あたしは、般若の面で後ろに立っている鬼畜野郎を酷く睨む。



「凜。折角の綺麗なお顔を自分で台無しにしているぞ?ほら、スマーイル」


『オイ。あたしのお顔を台無しにさせたのは、何処のどいつだ!!』


「……俺か?」


『まさかの自覚無し!?あ゙ぁん?』


「あっ!でも、凜はどんな時でも凄艶だから大丈夫」



目を細めて、クスクスと笑うこの男。



< 6 / 357 >

この作品をシェア

pagetop