一緒に暮らそう
「でもさ、大丈夫? イケメンって高ピーなとこあってさ、女をぞんざいに扱う奴いるじゃん。あいつも超ろくでなしだったじゃん。今度の彼にはそういうとこないの? そんな一流企業に勤めるエリートだったら、なおさらお高いとこあるんじゃないの?」
「斉藤さんはそんなことないよ」
「しかも35でまだ独身でしょ。実は何か変なとこあったりしないよね。オタクだったりマザコンだったり」
「あはは。斉藤さんに限ってそれはないよ。理系だけど別にオタクっぽいとこはないし、ただの仕事人間って感じかな。それに今時の都会の人はね、30過ぎても独身の人って多いんだよ。こないだ会った人だってそうだし」
「それって、あんたの彼に横恋慕しようとしてる同僚でしょ。もう、あの話、何なのって思っちゃう。あたしだったら、病気だろうが何だろうが、そういう女が彼の部屋にいたら乗り込んじゃうよ! 女に『さっさと帰れ!』って言うね! 彼にも『何であんな女、家に上げたんだ?』って訊くね。紗恵、そこで引っ込むなんて大人しすぎるよ!」
 芹菜は古屋翔子が新多の見舞いに来たことについて憤慨している。
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