一緒に暮らそう
ランチタイムと焼けぼっくい
 古屋翔子は今年で36歳。国内大手電機メーカーの開発部で研究員をしている。
 彼女は開業医の娘で、中高一貫の私立校から難関国立大学の理工学部に入学した。同じ大学の大学院を出てから、現在の企業に就職した。
 社内でのあだ名は「ゴー・ゲッター」、すなわち「やり手」という意味である。所属する開発チームの副主任として、チームを引っ張っているキャリアウーマンだ。

 彼女は昔から手に入れたいものは全て手に入れてきた。
 超難関の国立大学に猛勉強の末、現役で合格した。医師である父親は彼女に医学部へ進むことを勧めたが、彼女は物理に興味があったので、理工学部で物理化学を専攻した。
 学部を卒業した後も、修士課程で専門の研鑽を積み、修了後は日本を代表する大手電機メーカーに就職をした。

 恋愛に関しても能動的で、自分の方から意中の男性へ近づいていくタイプだ。
 学生の頃は同い年の男の子が頼りなく見えた。だから、学部生の頃は物理学研究室で教える30歳の助手に恋をして、彼にアプローチをした。助手とはしばらく付き合っていたけど、彼は大人しくて少々退屈な青年だったので、その内飽きてしまった。
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