一緒に暮らそう
 翔子だって女として自信がある方だった。
 男ばかりの理系学部にいれば、容姿が良くない女子学生だって多少はありがたがられるのに、彼女みたいなきれい目の女子学生ならなおさら価値がアップする。
 服装だっていつも完璧だ。さりげなくブランド物を取り入れつつも、派手にならないように上品な装いを心掛けている。理系学部に在籍する女子には珍しく、翔子は毎朝、髪のセットと化粧にしっかり時間をかけていた。
 そのスタンスは社会人となった今も変わらない。仕事が忙しくて睡眠時間が削られても、身だしなみは整えようと思っている。通勤の時間を縮めるために、いつも職場から近い町中のマンションを借りているのだ。

 ともかく、彼女ほどの女子をふる男は、よほど自分に自信のない男なのだ。
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