一緒に暮らそう
 そんなわけで今日も翔子は新多にくっついて昼休みを取ることにした。

 研究所の廊下で、すれ違いざまに彼に声を掛け、一緒にランチはいかがと誘った。別にしょっちゅう誘っているわけではない。適度な頻度が自然なのだ。
「別にいいけど。でも、俺は行くとこ決まってるけど、そこでもいいのか」
 新多が答えた。
「もちろん。どんなとこなの? 連れてってよ」
 翔子明るく答える。
 彼女は白衣を脱ぎ、ネームタグを取って社屋の正面玄関に向かった。なんとなく学生時代を思い出す空気だ。

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