一緒に暮らそう
こんなしんしんと雪の降る夜には、生前の祖母とのことを思い出す。子どもの頃、こんな寒い晩は祖母が紗恵を抱きかかえて眠ってくれた。祖母は枕元で「紗恵はべっぴんさんだから、きっと立派な人に見染められて幸せになるよ」とささやいていたものだ。
それがどうだろう。大人になった自分ときたら、三十を前にして木造の安アパートに一人暮らし。ホームセンターで買ったカラーボックスを家具にして、中国製の衣料品を身に着けている。中古の軽自動車で店の食材の仕入れにいく日々。恋人すらいない。
それがどうだろう。大人になった自分ときたら、三十を前にして木造の安アパートに一人暮らし。ホームセンターで買ったカラーボックスを家具にして、中国製の衣料品を身に着けている。中古の軽自動車で店の食材の仕入れにいく日々。恋人すらいない。