一緒に暮らそう
「いつの時代にも子どもを虐待するひどい親がいるんだな」
「そうね。かわいそうな子だった。案の定、その子、中学に上がるとグレちゃったのよ。不良仲間とつるんで、家にも帰らなくなったの。家に居場所がなかったから、友達の家を泊まり歩いていたのよね。彼女、高校には行かないで、中学を出ると工場に住み込みで働いてた。今は幸せに暮らしてるわよ。結婚して子どもがいるわ」
「君の友達にはそんなに不憫な子がいるんだな。世の中には色々な家庭環境があるんだよな」
「そうよ。ホント色々なのよ。あなたの所なんてすごく恵まれてるわ。大当たりよ」
「おっしゃるとおりだ。君は俺のこと、苦労知らずのボンボンだと思ってるだろ?」
「うん」
「あーっ! 言ったな! こっちが気にしていることを!」
新多は起き上がり、後ろから紗恵を羽交い絞めにしてきた。
「冗談だって!」
紗恵が体をひねって抵抗する。
「そうね。かわいそうな子だった。案の定、その子、中学に上がるとグレちゃったのよ。不良仲間とつるんで、家にも帰らなくなったの。家に居場所がなかったから、友達の家を泊まり歩いていたのよね。彼女、高校には行かないで、中学を出ると工場に住み込みで働いてた。今は幸せに暮らしてるわよ。結婚して子どもがいるわ」
「君の友達にはそんなに不憫な子がいるんだな。世の中には色々な家庭環境があるんだよな」
「そうよ。ホント色々なのよ。あなたの所なんてすごく恵まれてるわ。大当たりよ」
「おっしゃるとおりだ。君は俺のこと、苦労知らずのボンボンだと思ってるだろ?」
「うん」
「あーっ! 言ったな! こっちが気にしていることを!」
新多は起き上がり、後ろから紗恵を羽交い絞めにしてきた。
「冗談だって!」
紗恵が体をひねって抵抗する。