一緒に暮らそう
「ところで紗恵」
 新多の動きが止まる。
「何」
 笑いすぎたので動悸を抑え、短くたずねる。
「君に渡したいものがある」
 彼はいきなり話を変えてきた。
「渡したいもの?」
「ああ」
 新多はおもむろに立ち上がり、部屋の収納の中から何かを取り出す。
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